「VMware Fusion 8.1.1 Build 3771013」リリース、及び「VMware Fusion」の現状

米EMC傘下のVMwareより米国時間4月21日、同社によるMac OS Xベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Fusion」のアップデートリリースに相当する「VMware Fusion 8.1.1 Build 3771013」がリリースされています。 米国時間2015年12月8日付にてリリースされた「8.1.0 Build 3272237」において、「OS X El Capitan(OS X 10.11)」に対する互換性改善等が行われている、OS Xベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Fusion」に、米国時間4月21日付にてアップデートリリースに相当する「VMware Fusion 8.1.1 Build 3771013」がリリース。現在VMwareによる公式ダウンロードページ、及びビルトインのソフトウェアアップデータを通じて、日本語含む複数言語リソースを包含するマルチリンガル版のバイナリパッケージが入手可能となっています(dmg 約363.4MB)。

この度リリースされた「VMware Fusion 8.1.1 Build 3771013」における主な変更点として、以下の項目等が示されています。
  • NVIDIAによるアンチエイリアシング「MSAA(Multisample anti-aliasing)」が有効化された状態で、Windows(ゲストOS)において「Realtime Landscape Architect」等のグラフィックスソフトウェア、或いは「Civilization 4」等のグラフィックスゲームを動作させた場合に、VMware Fusionがクラッシュするケースが確認されていた問題を修正
  • 実行中の仮想マシンのコンソールウインドをドラッグにてリサイズした場合に、ホストシステムにおいてメモリリーク(システムメモリ使用量の増大)が発生するケースが確認されていた問題を修正(「Activity Monitor(アクティビティモニタ、/Applications/Utilities/Activity Monitor.app)」の「Memory(メモリ)」タブを通じて、メモリ使用量を監視する事が可能)
  • ポートフォワーディングを有効化した場合に、NAT(Network Address Translation)ネットワークが適切に動作しないケースが確認されていた問題を修正
  • オートマチックアップデートでのインストール時に、リモート仮想マシンが予期せずサスペンドしていた問題を修正。ESXiサーバ、或いはWorkstation Serverインスタンスにストアされているリモート仮想マシンに接続した後にVMware Fusionをアップデートした場合に、ローカルディスクに格納されている実行中の仮想マシンに加えて、実行中のリモート仮想マシンが自動アップデートによってサスペンド、或いはシャットダウンされるケースが確認されていた問題を修正
  • 「USB 3.0 SuperSpeed」コントローラを通じて仮想マシンに対して特定のUSBデバイスを接続した場合に発生し得た、幾つかの問題を修正(仮想マシン内で「USB 3.0」スキャナが動作しなかったり、仮想マシン内で「USB 3.0」フラッシュドライブのフォーマットが行えなかったといった問題等)
  • And many others...
3項目に挙げられているNAT(Network Address Translation)ネットワークにおけるポートフォワーディングの問題は、クリティカルな問題としてVMware Communities等を通じてアナウンスされていた問題の修正を意味しています。

当版におけるシステム要件は、64bitプロセッサを搭載したApple製コンピュータ、ホストOSは「OS X Mavericks(OS X 10.9)」以降(「OS X Yosemite(OS X 10.10)」を含む)となっています。Ver. 7.0にてサポートされていた「OS X Mountain Lion(OS X 10.8.5)」は対象外となりますので御注意下さい。

補足(VMware Fusionの現状)

一部のニュースサイトを通じて「VMware Workstation」「VMware Fusion」の開発チームがレイオフ状態にあるとの報道がなされましたが、コアハイパーバイザ、仮想デバイス、プラットフォームレイヤ等の開発を担当するデベロッパ達は、今でも変わらずにその職務に従事し続けているとの事です(これにはグラフィックス、ネットワーク、USBデバイス対応等の開発も含まれる)。また、プラットフォーム毎のGUIクライアント(OS X版では「VMware Fusion.app」)の開発を行っていたHosted UIチームの主要メンバーは、レイオフ状態ではなく、VMware社内の別のプロジェクトに従事しており、米国本社内では今後のアップデートに関するロードマップの提示等も行われているそうです。

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