「Windows Vista」における仮想化技術の現状

PC Watchより8日、同サイト内「笠原一輝のユビキタス情報局」にて「Windows Vistaで使える仮想化ソフトを試す(前編)」と題した「Windows Vista」における仮想化技術の現状を特集したコラムが掲載されています。 「Windows Vista」の正式リリースに伴い、オペレーティングシステム移行期における有効なソリューションの一つ「仮想化技術」には更なる注目が集まるのではないかと思われますが、この度8日付のPC Watchにて「Windows Vistaで使える仮想化ソフトを試す(前編)」と題したWindows Vistaにおける仮想化技術の現状を特集したコラムが掲載されています。文中ではWindows Vistaにて利用可能な各種仮想化ソフトウェアの選択肢、各々の特徴、及び様々な物議を醸しているMicrosoftのEULA(End User License Agreement、エンドユーザ使用許諾契約書)におけるWindows Vistaの仮想マシン上での利用制限等にも言及されています。

全般的には仮想化技術の概要や仕組み、幾つかの方式の特徴等が紹介されている他、Windows VistaをホストOSとして利用可能な仮想化ソフトウェアとして、
  • 「Virtual PC 2007」(Microsoft)
  • 「VMware Workstation 6.0 Beta」(VMware)
  • 「Parallels Workstation 2.2」(Parallels Software
  • International)
  • 「VirtualBox」(InnoTek Systemberatung GmbH)
等の比較検証等も掲載。「Intel Virtualization Technology」「AMD Virtualization」への対応状況等を含む各仮想マシンスペック等も紹介されており、Microsoftを除く各ベンダからはMac OS X版も提供されている現状からも、非常に興味深い内容となっています。

その他では、ベンダ間の論争にも発展しているMicrosoftのEULAにおけるWindows Vistaの仮想マシン上での利用制限に関する記述も印象的。ゲストOSとして使用可能なEdition制限の他、以下の項目にも改めて注目してみました。
さらに注意したいのは、Business/Enterprise/UltimateのゲストOSになれるSKUでも、デジタル権利管理技術や Ultimateの「BitLocker」はゲストOSでは利用できないということだ。これは、素直に読めばWindows Media DRMも対象になるので、例えば仮想マシンの中でWindows Media DRMを利用したGyaoのようなサービスも利用できないということだ(このこともライセンス条項に記述されている)。

正直言って、これらの制限、ユーザーの観点から考えると理解に苦しむものだと言わざるを得ない。これがあるおかげで、Macユーザーが ParallelsにVistaを入れてもGyaoのようなサービスを楽しむことができないということになる(技術的には可能であるにもかかわらず、だ。しかも、MacユーザーがParallelsを利用する最大のモチベーションはこれだと筆者は思うのだが……)。上位SKUを買えば対応できるホストOS になれる点とは異なり、この点は最上位モデルのUltimateを購入しても解決できないので、ほかのOSを選ぶしか解決方法がなくなってしまう。
上記制約は既存のEULAに盛り込まれている内容で、特に目新しい発見ではありませんが、Mac OS Xユーザにとっても大きな制限事項の一つになるではないかと思われますので改めて注目してみました。Microsoftサイドからも自らの一定の見解は示されており、同社を一方的に非難するものではありませんが、その内容が今一つ納得し難いと感じている方も少ないくないのではないかと思われます。基本的には各種制限事項の再考を望んでおりますが、(同一Editionにて)制限事項が生じる仮想マシン上と、全ての機能が利用可能な実機上でライセンス料が同じという現状も一考の余地があるのではないかと感じる次第です。

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