IntelベースMacintoshにおいて利用可能な起動時のキーコンビネーションとして、以下の10種類が紹介されています。基本的にPowerPC Macからの変更点は少ないと考えて差し支えないと思いますが、Intelプロセッサへの移行に伴うブートローダ「EFI(Extensible Firmware Interface)」の採用により、「Open Firmware」の制御時に利用されていた「option」+「command」+「O」+「F」は無効化されています。
起動時に「C」キーを押す
Classic Mac OS時代から変更なし。「System Preferences(システム環境設定)」>「Startup Disk(起動ディスク)」における設定の如何に関わらず、光学ドライブにセットされたブート可能なCD、DVD等(各コンピュータに添付されているMac OS Xインストールディスク等)から起動させる事ができる。起動時に「D」キーを押す
「Install DVD 1(インストールDVD 1)」がコンピュータに挿入されている場合に、「AHT(Apple Hardware Test)」から起動。尚、AHTは「AirMac」「ロジックボード」「補助記憶装置」「メモリ」「VRAM」等といったハードウェアにおける種々のリソースに対して、ソフトウェアを用いたテスト、診断を実行するためのツール。個々のハードウェアに対して一意なバージョンが添付されているので、該当バージョンを使用されたし。ビープ音が2度鳴るまで「option」+「command」+「P」+「R」キーを押し続ける
PRAM(Parameter RAM)、NVRAM(Non-volatile RAM)をリセット。尚、PRAMには特定のシステムやデバイスにおける設定等が保存されており、そのうちの一部(ディスプレイ解像度等)はNVRAMに分散される形で保存されている。そしてこれらの情報は、コンピュータの種類やコンピュータに接続されているデバイス、ドライブの種類によっても異なっており、リセット時に PRAMの場合は、コールドブート(終了状態からの起動)、ウォームブート(再起動)の何れの場合からでも機能するのに対して、NVRAMのリセットはコールドブートにて実行しなければならない(つまり、コールドブートからの実行であれば、PRAM、NVRAM何れもリセットされる事となる)。起動時に「option」キーを押す
Startup Manager(スタートアップマネージャ)が開き、起動可能なMac OS Xボリュームがアイコン表示され、起動させたいボリュームが任意に選択可能となる。Windows PCに複数のOSがインストールされている際に表示される起動選択画面を、GUIレベルにて実現させたような機能となっており、PPCベースの機種と比較してインターフェースが若干変更されている。尚、「N」キーを押すと起動可能なネットワークボリュームをリストに加える事も可能。ただし起動可能なボリュームの選択肢が多くなる程、表示が完了するまでのアイドルタイムが長くなり、一定のストレスを感じる場合もある。個人的には「システム環境設定」>「起動ディスク」にて、ブートボリュームを切り替えてから再起動した方が能率的と認識している。起動時にEjectボタン、または「F12」キーを押す、或いはマウス(トラックパッド)のボタンを押し続ける
起動時に光学式ディスク等のリムーバブルメディアが挿入されている場合には、それらを強制的にEjectする。インストールDVD(CD)等から起動した後、プログラム的に再起動を強いられた場合(次回はメインのHDDから起動させたい時)等に有効。起動時に「N」キーを押す
互換性のあるネットワークサーバ(NetBoot)から起動を試みる。NetBootとはサーバ上に置かれた起動用のディスクイメージを、クライアント側がネットワーク経由でメモリに読み込む事によってコンピュータを起動させるシステムの事。使い方次第ではクライアント側にハードディスクが不要となる(ハードディスクレス)。そして、この環境がもたらすメリットとしては、- OSやアプリケーションのインストール、及びアップデートを限られた回数で済ませる事ができる(クライアントの台数分の作業は不要ということ。1度で済むという事ではない)
- 同様にメンテナンス作業も効率的に行える
- 特定のユーザによって特定のクライアントのみが、違った環境に書き換えられるのを防ぐ事ができる
起動時に「T」キーを押す
「FirfeWireターゲットディスクモード」で起動。FireWireターゲットディスクモードは、FireWireポート搭載のMacintoshコンピュータ(ターゲットコンピュータ)を、もう一台のコンピュータ(ホストコンピュータ)のリムーバブルボリュームとして認識させるための機能。ターゲットコンピュータをFireWireハードディスクとして起動し、ホストコンピュータのデスクトップ上にマウントさせる事により、通常のハードディスクを始めとする一連のボリュームと同様の操作性によるファイルの受け渡しを実現する。尚、マウントされたボリュームアイコンを何れかの操作にてアンマウントさせれば、コンピュータの電源ボタンを用いた電源断が可能となる(コンピュータという概念を捨て、通常の外付HDDと同様の扱いが可能)。起動時に「shift」キーを押す
「セーフブートモード」で起動し、ログイン項目を一時的に無効化する(起動項目に関してはApple純正のみの読み込みとなる)。セーフブートを行うと、ブートボリュームに対する自動ディスク検証と修復(ディレクトリチェック)等が行われた後、必要最小限のシステムソフトウェア(kernel extension)構成による起動が可能となり、障害時における原因の切り分けを行う際にも有効。起動時に「command」+「V」キーを押す
「verboseモード」で起動。Verboseモードで起動すると、起動、及び終了時のメッセージ(log)がテキスト表示される。起動時に「command」+「S」キーを押す
「シングルユーザモード」で起動。シングルユーザモードではネットワーク関連の機能を組み込まない状態で起動するため、システム設定に起因したトラブル発生時においては、この方法で起動した後、メンテナンス作業を行う事が可能となる。UNIX系OSにおけるメンテナンスコマンド「fsck(filesystem consistency check and interactive repair)」の実行環境として紹介される事も多く、コマンドライン中心の操作環境となるため、GUIによるインターフェイスは提供されない。尚、シングルユーザモードは「reboot」コマンド、「exit」コマンド、「control」+「D」等によって抜ける事ができる。紹介した機能の幾つかは障害時における対処方法として、或いは原因の切り分け等にも有効となる機能ですので、正常時に何度か試してみつつ、機能の概要等を体験しておくと緊急時に役立てる事ができるのではないかと思われます。
この記事へのコメント