「Ajax(Asynchronous JavaScript + XML)」の大まかな概要は、従来までのWeb環境の弱点とされていた クライアントとサーバ間における相互通知を、JavaScriptの非同期通信によって解決する事により、Web環境等にて デスクトップアプリケーションに近いインターフェイスを実現する技術、と考えれば良いかと思います。講義の中では、Ajaxの「x」として定義されている「XML(eXtensible Markup Language)」は使用されないケースが多く、JavaScriptへの依存率が高い事や、「クライアントサイドスクリプト言語(JavaScript)」+「サーバサイドスクリプト言語(PHP、Perl、ASP、ColdFusion等)」といった形で成り立っている、といった現状が強調されていました。
そして、入門用に最低限必要な環境として、
- Webブラウザ(Firefoxを含むGeckoブラウザを推奨)
- Webサーバ(Apatch)
- データベース(MySQL)
- PHP
- JavaScript
サンプルプログラムのデモンストレーションを交えながら、サーバサイドの処理に待たされる事無く、ユーザ側での操作が可能になるといった非同期通信のメリットが盛んに強調され、Ajaxを活用した代表的な事例として馴染みの深い「Google ローカル(Googleマップ)」を様々な角度から考察。APIの具体的な実装方法等の解説から、応用例として「Find! Job」「Ajax を使った郵便番号検索」「gOFFICE」、或いは「desknet's」のUIとして採用されている MB Technologiesの開発フレームワーク「Bindows」等も紹介。個人的には、インクリメンタルサーチの操作性をWeb上で実現した「Google Suggest」にAjaxの醍醐味を感じていますが、同社に買収されたgOFFICEの動向に関しては、今後のオフィススイート市場における展望を見極めるうえでも要注目となるでしょう。
そして、「Adobe Flash」にて作成されたコンテンツに対するアドバンテージとしては、
- プラグインが不要(バージョンにおける互換等の考慮が不要)
- 既存のHTMLリソースを有効活用する事が可能
- ユーザフレンドリな操作性の提供
尚、Ajaxサイドを牽引する「Google」にとって、検索は多くのサービスの中の一つ1つのコンテンツに過ぎず、彼らのライバルはYahoo!ではなく、Microsoftになるであろうといった現状も述べられていましたが、恐らくGoogleの視野には Adobeの影も色濃く映っている事でしょう。こういった近未来に予想される業界の動向は、自分のスキルの選択肢を見極める意味でも非常に重要であると考えます。
以上、非常に中身の濃い有益なセミナーでしたが、ここに紹介した内容は一部分のみです。より良い情報を発信しつつ、参加した意義を深めるためにも、レジュメやフォローアップ等を参考にしつつ、より一層の理解に努めていければと思っております。
この記事へのコメント